【注意!】
なるべく物語の根幹に触れる記述はしないように細心の注意は払いつつ、劇場版を観たくなるような感想を書くように努めております。
それでも以下に当てはまる方は楽しみが減少する恐れがありますので、ご了承いただきますよう、よろしくお願いいたします。



○まだ劇場版「Fate/stay night[Heaven's Feel]」をご覧になっていない方で、今後観る予定がある方
○Fate/Grand Orderしかプレイしていないけど、最近stay nightにも興味が出てきた方
○セイバー√と凛(UBW)√はプレイ済だけど、異質な雰囲気を感じて桜(Heaven's Feel)√から目を背けてきた方




















ここまで読んでいただいた方は『覚悟ができている』という前提のもと、感想を述べていこうと思います。

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これは小説・漫画・ゲームの映画化の際は必ずと言っていいほど付いて回る問題だと思っていることですが、「映画では原作のすべてを表現し切ることはできない」でしょう。
それほど、尺の制約が厳しいもので、表現の幅を狭めてしまっていることは否めないと考えています。


では、この映画では如何にしてこの問題に立ち向かったのか―

それは「共通認識の省略」「流麗なアニメーション」だと解釈しております。






Fateを語るうえで欠かすことのできない「聖杯戦争」ですが、本作品では聖杯戦争に関する説明はほぼ割愛されています

Fate関連のアニメやゲームに触れたことがある方なら全く支障はないでしょう。というのも、時代毎・舞台毎に異なる部分の内容("特異性"と言い換えてもいいかもしれません)で各作品のオリジナリティを出しているだけで、聖杯戦争という環境設定自体が大きく異なるわけではないと考えているからです。



ただ、FGOしかされておらず、Fateに関する事前知識がほとんどないような方からすると、聖杯戦争に関する説明の割愛によって、本作品の印象を大きく下げてしまう恐れがあります。
ですので、聖杯戦争とはどのようなものなのかを簡単に知ってから、本作品をご覧になられることをお勧めいたします。と言っても、当てはまる方は非常に少数でしょうが。



この聖杯戦争の説明を省くことで創出した時間を、間桐桜にスポットを当てる時間としてふんだんに使っていたのが非常に印象的でした。

衛宮士郎に甲斐甲斐しく献身する姿が目に焼き付く間桐桜ですが、果たして間桐桜とはどのような少女なのか―
そして間桐桜を本当の意味で知った衛宮士郎は一体どのような決意を抱くのか―
Heaven's Feelの物語はまさしく間桐桜と衛宮士郎の為人を解き明かしていく物語と言えるのではないでしょうか。






アニメーション制作はufotableということで、アニメーションの質は言うまでもないでしょう。

流麗なアニメーションという点に関しては、映画だからこそ注力できるのであり、原作を凌駕する可能性すらここにはあると感じました



一瞬で命のやり取りの舞台に引きずり込むことができるサーヴァントという存在、そのサーヴァントの戦闘たるや、たとえ展開を知っていたとしてもスクリーンに目線は釘付け、思わず両拳を握りしめている自分にはたと気付く―

戦闘シーンの進化には毎度毎度驚かされてしまうのが正直な感想です。



また個人的に思い入れが強いシーンは、過去に弓道部に属していた士郎が矢を射り、それに対して先生がコメントしているシーンでした。

先生のコメントも相まって、他を寄せ付けないほど正確無比な射を行う士郎の"歪さ"が伝わってくるシーンと感じざるを得ませんでした。










以上、長々くどくどと感想を書いてきましたが、健気で可愛い後輩の桜やっぱりカッコいいランサー兄貴を観に、劇場に足を運ぶことをお勧めいたします!v( ̄∇ ̄)v笑